2026年分 年末調整の変更点と注意点
令和8年分 企業の経営者・給与担当者の皆さまへ
最終確認日 2026年10月28日
今年の年末調整では、基礎控除や扶養親族等の所得要件などに変更があります。前年の控除額や判定基準をそのまま使わず、給与計算システムの改正対応と従業員の申告内容を確認しましょう。
1 主な変更点
| 項目 | 2025年分 | 2026年分 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 最大95万円 | 最大104万円 |
| 給与所得控除の最低保障額 | 65万円 | 74万円 |
| 扶養親族等の合計所得金額の要件 | 58万円以下 | 62万円以下 |
| 上記の要件を給与収入のみで換算 | 123万円以下 | 136万円以下 |
※基礎控除額は本人の合計所得金額によって異なります。扶養控除等には年齢・生計関係などの要件もあります。給与収入への換算は特定支出控除等の適用がない場合です。[1]
基礎控除などの改正は原則として2026年12月1日に施行され、12月に行う年末調整で反映します。11月までの毎月の源泉徴収事務は、この改正によって変更する必要はありません。[2]
2 19歳以上23歳未満の親族の収入を確認
2025年分から始まった「特定親族特別控除」は、2026年分も確認が必要です。生計を一にする19歳以上23歳未満の親族について、給与収入のみの場合、136万円超197万円以下でも、所得に応じて最大63万円の控除を受けられる場合があります。配偶者は対象に含まれません。該当する従業員には、特定親族特別控除申告書の提出を案内しましょう。[1][3]
3 23歳未満の扶養親族がいる方の生命保険料控除
2026年分は、23歳未満の扶養親族がいる場合、新生命保険料に係る一般生命保険料控除の限度額が4万円から6万円になります。対象契約と扶養親族の要件を確認してください。生命保険料控除全体の限度額は、従来どおり12万円です。[1]
4 年末調整の準備チェックリスト
- 2026年分の最新様式と計算表を使用し、給与計算システムを改正に対応させる。2027年分の扶養控除等申告書と取り違えない。
- 配偶者・親族の年間所得の見積額を確認する。複数の勤務先の給与や給与以外の所得も確認し、「収入」と「所得」を区別する。
- 結婚・離婚・出産・就職などの異動と、新しい所得要件により対象となる親族の申告漏れを確認する。
- 生命保険料・地震保険料の控除証明書、本人が支払った国民年金保険料の証明書など、控除に必要な資料をそろえる。
- 年の途中で入社した従業員から、年末調整に合算する前職給与の源泉徴収票を回収する。確認できない場合は年末調整ができないため、早めに案内する。
- 社内の提出期限と不足資料の確認期限を決め、従業員へ周知する。
5 年末調整で対応できない控除にも注意
住宅ローン控除の初年度や医療費控除は、確定申告が必要です。住宅ローン控除は、給与所得者で要件を満たす場合、2年目以降は年末調整で適用できます。[5]
ふるさと納税の控除は、年末調整では受けられません。確定申告または要件を満たす場合のワンストップ特例による手続きが必要です。医療費控除などのために確定申告をする場合は、ワンストップ特例を申請済みの寄附も申告に含めます。[6]
6 税金と社会保険の扶養は別々に確認
税制上の扶養の基準が変わっても、健康保険の被扶養者認定や、本人の社会保険加入の基準が同じ金額になるわけではありません。年末調整の確認に併せて、家族の働き方や収入見込みに変更がないか確認しましょう。健康保険では、2026年4月から一定の要件のもとで労働契約内容による年間収入の判定も始まっています。[7]
従業員への周知や社会保険の扶養に関するご相談は、当法人へお問い合わせください。年末調整の税額計算や個別の税務判断については、顧問税理士等へご確認ください。